01旅行記– category –
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足尾銅山 鉱毒で消えた2つの村と田中正造のたたかい
はげ山のグランドキャニオン 足尾環境学習センター所蔵 中学生だった1980年ごろ、家族旅行で足尾町(栃木県日光市)をおとずれた。群馬県桐生市から渡良瀬川の谷をさかのぼると、樹木が1本もないはげ山がつらなっている。谷底の渓流はすきとおっているが... -
高群逸枝はシャーマン、「森の家」は祭祀場
死を身近にかんじて巡礼した24歳の女教師 遍路無縁墓地=愛媛県今治市 2004年に四国の遍路道を歩きながら「娘巡礼記」を読んだ。 婚約者とほかの男性との三角関係になやむ熊本の24歳の女教師が、職をなげうって四国巡礼にでる。好奇の目にさらされ、観... -
直島②信仰と民俗とアートが融合する「家プロジェクト」
崇徳上皇が「真島」を「直島」に改名? 「つつじ荘」の朝食は、名物のじゃこ飯とじゃこ出汁のうどん。野菜のかき揚げがおいしい。大雨がやまないから、もう一度寝床にはいった。 9時すると雨がやんだから徒歩30分の「本村(ほんむら)」まで歩くことに... -
直島① 現代アートと安藤忠雄のコラボ
「瀬戸内」はシーボルトが「発明」 瀬戸大橋ができる前、岡山から宇野にでて、宇高連絡船の甲板でうどんを食べた。いまは瀬戸大橋ができて、宇野港へは茶屋町駅で乗りかえなければならない。 ローカル線なのに、外国人だらけ。そのほとんどが直島や豊島... -
叡山のはじまりは巨大磐座 焼き討ち前の信仰示す千体地蔵
引退僧侶の里坊ならぶ門前町 京都の修学院離宮から比叡山にのぼり、滋賀県側の坂本におりる道は10回以上たどっているが、滋賀側の日吉大社などはほとんど見学したことがなかった。だが実は叡山信仰は京都側ではなく滋賀側にはじまり、日吉大社こそがその... -
夕陽の沈む二上山は悲劇の皇子の怨念ただよう西方浄土
大阪と奈良の境にある二上山は、雄岳(517㍍)と雌岳(474㍍)がならぶ双耳峰だ。 飛鳥時代の藤原京(現在の橿原市)をはさんで真東には、神がやどる山として神聖視されてきた三輪山(標高467㍍)がそびえる。二上山から見ると、秋分と春分のときに三輪... -
金星人が降臨した京の異界・鞍馬
遠野のカッパ淵【記事はこちら】をたずねたあと「遠野物語」を読みかえした。人々は河童や妖怪の存在を前提として生きていた。つまり河童は「存在」したのだ。「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」で内山節は、自然や神々、死者とつながる能... -
喜多方の蔵とラーメンと素掘り水路+大内宿
蔵の町をまもった写真店主 2021年5月、二本松市の有機農家の取材のついでに36年ぶりに喜多方を訪ねた。 「あづま旅館」(素泊まり5500円)に荷をおろし、まちを歩くと、土蔵の多さにおどろく。 酒蔵はもちろん、新聞販売店も飲食店もふつうの店も土蔵... -
三陸へ④日本一のサメとカジキ 奇跡の一本松
日本一サメやメカジキがあがる魚市場 JR気仙沼駅から徒歩15分ほどの中心街「魚町」は、ちらほらと居酒屋がある程度だが、海沿いの堤防上にはおしゃれなカフェやFMラジオの放送局がならんでいる。 漁港は、近海の小型漁船から遠洋に行く大型漁船までず... -
三陸へ②津波の犠牲者最多の石巻市、門脇小は火災で破壊
津波と火災におそわれた校舎小 役だった避難訓練 松島から北上して石巻市にはいると、だだっぴろい平地に新しい住宅が無秩序に蚕食するようにひろがっている。太平洋から700メートルほどの山際に震災遺構の門脇小がある。震災前は、海までびっしりと町...