「どうする家康」

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■NHK大河ドラマ
 アマゾンプライムで4日ほどかけて一気に見た。いやーおもしろかった。
 「悪女」とされてきた築山殿(瀬名)の描き方と、弱くて泣き虫で情けない家康というキャラクターが秀逸だった。
 今川義元の人質だった元康は、うさぎやままごとが大好きで、気が弱くて泣き虫。そんな元康と有村架純演じる瀬名が結婚する。こんなかわいい瀬名が悪女に転じていくんだろうか? それだけでも興味がそそられる。
 情けない元康をきびしく指導する石川数正。反発する本多忠勝、詐欺師のような本多正信……家臣たちもキャラがたっている。
 桶狭間で信長が敗れ、元康は「もういやじゃー!」と家臣をおいてにげだし、本多忠勝につかまえられてひきもどされる。織田信長と結べと助言されると「わしは駿府の妻と子のもとに帰るんじゃー」。
 信康がくるって坊主を斬る。「みなが強くなれと言うから、強くなりました。しかし、わたくしでなくなりました。いつまでたたかえばよいのですか」。これをきっかけに瀬名は「奪い合うのではなくあたえあう関係をつくれば戦はなくなる」と、武田と徳川と北条を裏でむすばせようとする。本来は信康や築山殿のたくらみを密告する信長の娘ゴトクも瀬名の動きにのる。ところが、武田勝頼が裏切って、信康と瀬名は殺された。「ごとくよ、私と信康が暴虐で、ひどいと手紙に書きなさい」と瀬名。そうやってゴトクの密告状という史実に着地する。
 信康と瀬名を逃がそうとするが、瀬名はみがわりになる女にであってしまう。「よわくて、やさしいお心を大切に」と言い残してみずから命をたつ。(ああ、チンみたいだ)
 武田を滅ぼしたあと、家康は信長にひれふして道化を演じる。だが京都の本能寺に滞在するときいて「信長を殺す。わしは天下を取る」と決意するが、明智に先をこされる。
 柴田勝家にとついだお市は、実は家康を愛していた。秀吉に攻められたとき、市は家康の助けを待つが、「約束ははたせん。祈ることしかできん」と、けっきょく駆けつけなかった。このとき、娘の茶々が「徳川殿はうそつきじゃ」と憎んだのがのちの対立につながる。
 圧倒的な才覚の秀吉が天下をとり、茶々は側室となる。秀吉は呆けた絶対君主となり朝鮮に出兵し、そして亡くなる。臨終まぢかの秀吉に茶々は「秀頼はあなたの子ではなく、私の子。あとは私にまかせよ、サル!」と耳打ちする。そのすごみはブルッとくる。
 家康は寅年寅の刻生まれといわれるが、於大の方は亡くなる直前、「家康は寅年といわれてるけど、じつはうさぎ年です。家康、いつまで寅と信じておったのかのぉ」「今日まで、今の今まで信じておりました」
 そういうひとつひとつの場面がおもしろい。
 大坂冬の陣と夏の陣では、乱世を象徴である真田信繁らの浪人が大坂城につどう。
「乱世の亡霊を根こそぎひきつれて(私も)ほろんでまいります」と家康はちかい、すべてを滅ぼしたあと自らも世を去る。
 家康は弱いからこそ、家臣が団結して支えようとした。義元や信玄、信長、秀吉という強大な敵を相手にして、何度も敗れて生きのこってきてから、いつしか最強に転じた。最後は「弱さ」にたちかえることで泰平の世を実現した。
 鎌田東二さんがえがいた、最弱の神である大国主神が「国作り」をする姿とだぶってみえる。もしかしたらこのドラマは大国主神をベースにしているのかもしれない。

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