fujiman– Author –
-
本と映画と博物館
国立民族学博物館 特別展 「舟と人類―アジア・オセアニアの海の暮らし」
舟のルーツをさぐるとロマンがいっぱい。老若男女が楽しめる展示だった。 原初の舟は、①筏とあし舟 ②皮舟ないし獣皮舟 ③樹皮舟 ④くり舟・丸木舟があった。(チベットの牛皮舟) 筏 葦舟 チベットの獣皮舟 樹皮の舟 台湾から与那国島まで黒潮を横切... -
本と映画と博物館
甦る海上の道・日本と琉球<谷川健一>
■文春新書251022 土器のない旧石器時代の生活をしていた琉球を文明化したのは九州の石鍋の導入とそれを模倣する土器の出現であり、それを介在したのが家舟にすみ交易をにない「倭寇」ともよばれた海人たちだった。さらに、琉球の第一尚氏王朝は、熊本・八... -
本と映画と博物館
安藤榮作展「約束の船The Promised Journey of Souls」 奈良県立美術館
安藤さんの彫刻は、円空仏とどこかにているなぁと思った記憶があり、奈良県立美術館に行ってみた。 1961年、東京の下町生まれ、29歳のときいわき市へ。東日本大震災による津波で自宅もアトリエも失って、原発事故とともに奈良へ避難してきた。 ... -
能登2011〜24
縄文キャンプ㊦食べ物
アワがゆとイノシシスープ 「旅する料理人」の三上奈緒さんはまず「縄文おやつ」を参加者にまわした。シイの実とハゼとヤマブドウ。 夕食は縄文土器でアワ粥とイノシシのスープをつくった。 縄文土器は、焚き火で熱せられたところに雨が降ると割れてしま... -
能登2011〜24
縄文キャンプ㊤野焼き
「能登○○大学」は、「フィールドを心身で体験する」を柱のひとつとしてかかげている。そのシンポジウムの翌日の10月12日、「心身体験」にぴったりのイベントがあった。真脇遺跡であった「縄文キャンプ」。案内人は、真脇遺跡縄文館の高田秀樹館長と、... -
能登2011〜24
「能登○○大学」スタート!
穴水町曽良の真言宗の古寺「海臨山千手院」で10月11日、「能登○○大学設立決起集会」がひらかれた。宗教哲学者の鎌田東二さん(2025年5月没)の呼びかけで2024年に発足した「能登学プロジェクト」の活動をもとに「開かれた学びの場」をめざ... -
福島有機
街が消え、放射能の記憶も消える 大熊町
2025年9月末、1年ぶりに福島県の原発事故被災地をたずねた。JR常磐線富岡駅の裏は津波にやられて草原がひろがっていたが、ブドウ畑がつくられ、レストランのような建物ができている。農園の若者が10人ほど、列車にむかって手をふっている。 大野... -
未分類
森の家の巫女 高群逸枝<西川祐子>
■新潮社 2509 高群逸枝は「娘巡礼」から読みはじめた。みずみずしい感性にひかれた。その感性にひかれて多くの男が彼女に恋をした。男をふりまわす魔性の女でもあった……とはこの本でわかった。ほれてしまうと客観的になれない。以前に【こんな文章】を書... -
未分類
魂の友 映画監督 大重潤一郞
■<高橋慈正編>250922 「われらが海民 映画監督大重潤一郞著作集」と同時に編まれた。大重監督は「久髙オデッセイ」を仕上げてまもない2015年7月22日に、8人の友人たちに看取られて旅立った。そうした人々の文章からは、大地や海や地球につな... -
能登2011〜24
大浜大豆の里の農業再建 珠洲市・横山
能登半島最北端の禄剛崎にほど近い横山集落は、2024年元日の能登半島地震後もほとんどの住民が地区にとどまった。 地震から4カ月後の4月末に訪ねると、水田のパイプラインが破断し、農道がくずれて山の畑にたどりつけなかった。5月には田植えを...