fujiman– Author –
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ジンベイザメの水族館と備瀬のフクギ並木
美ら海水族館 人混みがきらいだから、有名観光施設はほぼスルーしてきた。2025年7月、名護に泊まってヤンバルを歩くつもりだった台風が襲来した。しかたがない。「沖縄美ら海水族館」(本部町)で時間をつぶそう。 名護から水族館までは車で30分... -
3年ぶりの久高島 秦氏と安徳天皇と鰹節伝説
2025年7月、ドキュメンタリー映画「久髙オデッセイ」3部作をつくった大重潤一郞監督の没後10年祭に参加するため、久高島を再訪した。【2022年の日記はこちら→https://note.com/fujiiman/n/n3d0b45b27c13】 早朝、那覇からバスに乗り、斎場... -
輪島と漆<桐本泰一・高森寛子編>
■亜紀書房20250719 輪島は、日本一人間国宝にあえる町だ。ワイプラザというスーパーに行くと、ちょこちょこ人間国宝さんが買い物をしていた。 この本は、スーパーでよくお見かけした人間国宝の小森邦衛さんと、輪島の漆器業界のトップランナーである桐... -
奥能登に見る伝説・伝統の創造と変容
古くからの「伝統」「伝説」とされているものが、実は最近創られたり大きく改変されたりしていたという例は少なくない。拙著「能登のムラは死なない」に紹介した行事や伝説のなかから、そんな事例をピックアップしてみた。 あえのこと 能登町・国重=201... -
柳田国男と民俗学の近代 奥能登のアエノコトの20世紀<菊地暁>
■岩波現代文庫 柳田国男がつくりあげた民俗学の実践は、農山漁村の民俗そのものの再発見以上に、ローカルな民俗をいかにしてナショナルなるものに接続させかが課題だった。柳田は、全国各地の民俗学徒を総動員して「日本」を語る共同体をつくりあげた。... -
こころの時代 おぎないあういのち 全盲ろう 福島智
■<亀川芳樹ディレクター> 福島智さんは東大で特任教授をつとめる障害学の第一人者だ。盲ろう者としてはじめて大学(都立大)に入学し、点字のタイプライターの通訳で講義をうけ、金沢大助教授から東大の助教授になった。 1962年生まれ。9歳で視力... -
「民具のデザイン図鑑」が逆照射する現代文明の貧しさ
■<武蔵野美術大学民俗資料室編 加藤幸治監修>誠文堂新光社 20250630 民具はおもしろいが、それをどう生かせるのかは見えてこない。民博で開かれた「民具のミカタ博覧会」は、「液体を運ぶ」「おろす」「酒をシェアする」といった身体性で民具をなら... -
「久髙オデッセイ第3部 風章」 島の祈りは永遠に
久髙オデッセイの最終作である「久髙オデッセイ第3部 風章」をウェブで鑑賞し、助監督をつとめた高橋慈正さんの解説をきいた。 12年に一度の午年の年にもよおしていたイザイホーは、島で生まれ、島の男性と結婚した30歳から41歳の女性の女性が... -
人間とは何か 実存的精神療法<V・E・フランクル>
■春秋社250628 強制収容所を生きぬき、妻も親も失っても「生きる意味」をおいつづけたフランクルに魅せられてきた。この本では、フランクルの思想や精神医学者としての「ロゴセラピー」の実践が詳細につづられている。 フロイトの精神分析は、人間は性... -
ディープ大阪ツアー 釜ヶ崎・飛田・新世界
大阪観光といえば、大坂城やUSJが定番だけど、私が知人をよく案内するのは「ディープ大阪」です。30年前から歩いているけど、時代とともに様変わりしてきたので、備忘録がわりに記録しておきます。 JR環状線の新今宮駅に集合し、まずは日本最大...