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三陸へ①岩窟に石仏 松島の雄島は中世の霊場 津波被害が最小だったのはなぜ
福島は津波と原発事故におそわれた。原発事故がなくて津波の襲来をうけた地域となにがちがうのだろう? 宮城と三陸の海岸をたどってみることにした。まずは名勝の松島をめざした。 福島市から1時間も走ると宮城県にはいる。仙台を高速道路で迂回して... -
花巻でイーハトーブのなごりをさがす 宮沢賢治めぐり
プランターがない風景のやわらかさ 花巻は1998年3月と99年夏におとずれた。冬のイギリス海岸も、夏の風景も心にしみた。 1999年夏にYHで一緒になった関西のOLが、イギリス海岸周辺の風景に感動してしゃべりつづけていたのをおもいだす。「関東から神戸... -
カッパの神様になった遠野のカッパ淵のおじいさん
おばあさんが展示物 1999年ごろ、出張ついでに遠野物語の里をサイクリングした。「伝承園」は、昔の曲がり家の農家などを移築した観光施設だった。「米もビールもおいしいよね。水がいいからかな」とおばあさんに声をかけると、「山梨の孫も、ばあちゃん... -
「真宗移民」の歴史から何を学ぶか 報徳仕法の原動力にもなった宗教移民の研究を眺望する<太田浩史>
■20230426 福島第一原発事故の取材で訪れた南相馬市は、外の人も受け入れる気さくな人が多かった。昔から外からの人をうけいれてきたからだという。 江戸末期には間引きなどによる人口減少で荒廃していたムラを、北陸や新潟からの「真宗移民」が再生させ... -
福島・原子力災害の記憶継承施設をめぐる
原子力災害伝承館「天災」であるかのような展示 「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)は。福島第一原発事故の全体像を展示する中核的な施設だ。2020年9月にオープンした。 当初、「語り部」が話す内容について、「特定の団体」(国や東電)の... -
ざくざく
福島県二本松市の農家の大内さん宅でごちそうになった汁。 見た目はけんちん汁のよう。細かく刻んだ椎茸やごぼう、大根など野菜たっぷり。畑でとれたばかりの里芋は舌の上でとろける。野菜と昆布と煮干しのだしが溶け出して滋味豊か。 煮物に使った里... -
福島の有機の里で⑥放射能に負けない人参ジュース
小豆を干す秋 安達太良山の乳首のかたちの頂上が澄み切った空にくっきりそびえ、白い雲が左から右に流れていく。 11月はじめ、二本松市の阿武隈川沿いにある大内信一さんと督さんの畑を訪ねると、真夏に汗だくで草抜きをした小豆は刈りとられ、ビニール... -
福島の有機の里で⑤ 稲刈りと「結い」と農家民宿
「はせがけ」農村文化の象徴を残したい 10上旬の早朝、旧東和町の布沢の棚田の里にマリーゴールドやコスモスが咲き誇り、ひんやりした風に黄金色の稲穂が波打っている。この日は、異業種交流のグループや家族連れ十数人が稲刈り体験に訪れた。菅野正寿さ... -
福島の有機の里で④ じゃがいも掘り 救荒作物は放射能にも強い
腐る芋は豊作の予感 2021年7月23日、阿武隈山地の山あいの里、標高300メートルの旧東和町・布沢地区を訪ねた。斜面に折り重なる菅野正寿さん(1958年生まれ)の棚田は青々としている。日が陰るとカナカナカナとヒグラシのうら悲しい声が谷間にひびく。石が... -
福島の有機の里で③ 盛暑 腰に来る草抜き、ハクビシンと知恵比べ
出穂間近、水を抜いた田はしっとり 梅雨が明けたばかりの7月22日、2カ月ぶりに福島県二本松市を訪ねた。薄曇りなのに気温は33度。イネは青々と茂っている。まもなく穂が出るという。雑草はほとんど見えない。「肥料をやらないのがよいんです。田植えの時か...