02ルポ– category –
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福島有機
福島・原子力災害の記憶継承施設をめぐる
原子力災害伝承館「天災」であるかのような展示 「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)は。福島第一原発事故の全体像を展示する中核的な施設だ。2020年9月にオープンした。 当初、「語り部」が話す内容について、「特定の団体」(国や東電)の... -
中南米
「ラテンアメリカの民衆芸術」は多元社会へのヒントか
■国立民族学博物館 「民衆芸術(Arte Popular)」ってなんだろう? 玩具や装飾品、儀礼用品、装飾品など、「民衆がつくる洗練された手工芸品」だという。 あまりに幅広い「民衆芸術」をいったいどうまとめて、なにをつたえるのか興味があって国立民族学... -
02ルポ
大江健三郎の故郷「谷間の村」の半世紀 にぎやかな村は合併で衰退、ノーベル賞で「役場」復活
大江さんと新倉重高さん=新倉さん提供 大江健三郎さんが3月3日に亡くなった。2002年から05年にかけて、ぼくは大江の小説を読みふけり、彼の故郷の「谷間の村」を何度も訪れた。そこには少年時代の大江さんを「ケンチャン」とよぶ人たちがいた。ケ... -
中南米
トドス・サントスに何が起こった グアテマラ日本人襲撃の背景(週刊金曜日2000年10月27日)
世界の秘境をもとめる旅行者に人気のある中米グアテマラで、日本人旅行者がリンチにあい殺害されたという衝撃的なニュースが飛びこんだのは今年(2000年)の4月だった。悲劇の舞台となったトドス・サントス・クチュマタンでいったいなにがおこっていたの... -
福島有機
福島の有機の里で⑧農閑期がない平地の有機農家
大根は土中で白菜は藁につつんで保存 2022年2月末、阿武隈山地の布沢集落の朝は、道路の雪があちこちでカチンコチンに凍っていたが、阿武隈川沿いにひろがる盆地の二本松市街までくだると雪はほぼ消えた。正面にそびえる安達太良山の乳首のような頂上は... -
福島有機
福島の有機の里で⑦保存食と餅づくり 牛糞は堆肥に
凍てつく阿武隈山地 冬の野菜は大根、白菜、芋がら…… 太平洋岸のいわき市は2月末というのに気温15度。コートを着ると汗ばむほどだ。映画「フラガール」では、粉雪が舞う寒々しい常磐炭鉱をうつしていたが、福島の太平洋側・浜通の冬はおだやかな晴天が... -
福島有機
福島の有機の里で⑥放射能に負けない人参ジュース
小豆を干す秋 安達太良山の乳首のかたちの頂上が澄み切った空にくっきりそびえ、白い雲が左から右に流れていく。 11月はじめ、二本松市の阿武隈川沿いにある大内信一さんと督さんの畑を訪ねると、真夏に汗だくで草抜きをした小豆は刈りとられ、ビニール... -
福島有機
福島の有機の里で⑤ 稲刈りと「結い」と農家民宿
「はせがけ」農村文化の象徴を残したい 10上旬の早朝、旧東和町の布沢の棚田の里にマリーゴールドやコスモスが咲き誇り、ひんやりした風に黄金色の稲穂が波打っている。この日は、異業種交流のグループや家族連れ十数人が稲刈り体験に訪れた。菅野正寿さ... -
福島有機
福島の有機の里で④ じゃがいも掘り 救荒作物は放射能にも強い
腐る芋は豊作の予感 2021年7月23日、阿武隈山地の山あいの里、標高300メートルの旧東和町・布沢地区を訪ねた。斜面に折り重なる菅野正寿さん(1958年生まれ)の棚田は青々としている。日が陰るとカナカナカナとヒグラシのうら悲しい声が谷間にひびく。石が... -
福島有機
福島の有機の里で③ 盛暑 腰に来る草抜き、ハクビシンと知恵比べ
出穂間近、水を抜いた田はしっとり 梅雨が明けたばかりの7月22日、2カ月ぶりに福島県二本松市を訪ねた。薄曇りなのに気温は33度。イネは青々と茂っている。まもなく穂が出るという。雑草はほとんど見えない。「肥料をやらないのがよいんです。田植えの時か...