NY2日目。地下鉄に乗ってハーレムを訪ねる事に。グーグルマップでハーレムの116th stを指定したら、路線もすぐわかった。○○通の北西角から地下鉄のホームに入る、といった案内もしてくれる。
クレジットカードをかざすだけで乗れる。2.9ドル。北にむかうのがuptown、南へ行くのがdowntown。別のホームだからわかりにくい。



北へ20分ほど。116stの駅から地上にでると、通りは広々としている。すさんだ雰囲気はない。だいぶ変わったんだろう。

でもなんとなくグアテマラやエルサルバドルのセントロのようなにおいもただよってくる。アンモニア臭はない。西にちょっと歩くとマルコムX通りにでる。せっかくだからこの道を北上してみる。中米のように果物の屋台が点在する。通りは広々としていて猥雑さはかんじない。赤レンガやゴシック形式の古い建物が多い。グリニッジビレッジのように「おしゃれな店」には改装されておらず、古びたかんじがよい。


碁盤の目の町並み。脇道は多少すさみはかんじるが、危険な雰囲気はない。ただ、町のあちこちのポケットパークの大半は施錠されたまま。
酔っぱらった黒人のおっちゃんが「写真撮ってくれよー」と人なつっこく声をかけてくる。なにを言ってるのか聞き取れないが、機嫌よく話したあと握手して去って行った。
ちょっとすさんだかんじは、釜ヶ崎のドヤ街にちょっと似ている。






1ブロックごとに教会がある。ハーレムだけで200あるとか。セブンスアドバンティストやらなんやら、ほぼすべてがプロテスタント系だ。カトリックは見あたらない。
国立ジャズ博物館は木金土しか開いていないらしい。

138thStのアビシニアン・バプティストAbyssinian Baptist Church 教会まで歩いた。NY最古の黒人教会のひとつらしい。いくつかの教会では、日曜のミサではゴスペルを聴けるそうだ。
ハーレムの教会密度は京都の寺の密度を超えている。
貧しいからこそ、コミュニティの中心として教会がもとめられたのかもしれない。

「KNOW YOUR RIGHTS」という壁画がハーレムらしい。自分の人権を知りなさい、と。
「警察になにか聞かれても答える必要はない……」などとしるされている。

アビシニアン教会から東へ歩きハーレム川にでようとしたが、高速道路にはばまれた。
12時20分、そろそろ便所に行きたいなぁと思ったが、公衆便所はない。レストランかカフェにはいるしかなさそう。そういえば地下鉄の駅にもトイレはなかったな。
マーガス・ガーベイ公園のは丘にのぼると、ハーレムを見わたせて、はるか南にぼやけた林立する摩天楼がのぞめる。この公園に公衆便所があった。


ハーレムの南の端に「マーティン・ルーサー・キング・タワーズ」と名づけられた赤い建物群がある。
キング牧師がかつて住んでいたことから命名されたアパート群で、約1400戸あるらしい。

さらに20分ほど南下するとセントラルパークに入る。
マンハッタンのどまんなか、南北4キロ、東西0.8キロという広大な公園だ。池の水辺環境や森が形成され、野鳥やリスが走りまわる。大都会のまんなかにこれだけの自然を維持するのはすごい。強い「意志」をかんじさせる。東京の皇居が公園ならばこれに匹敵するかもしれないけど。

広大な公園のむこうに摩天楼がそびえる風景は独特だ。この国のエネルギーと矛盾を表現しているようだ。

桜が満開で、花の下で朗読する白人のおじさんがいたり、黒人のおじさんがおどっていたり、ラテン系の女の子が寝そべっていたり。日本とはちがう花見の様子が興味深い。

1時間半ほどかけて南にぬけると目の前が摩天楼。東京でいえば銀座のどまんなかになり、ルイビトンやらシャネルやらの建物がならび、その一角に話題の「トランプタワー」がそびえている。世界一バブリーな街にある世界一のバブル男の城かぁ。

「世界の中心」をぶらりと歩いて16時前に宿にもどった。きょうは2万歩弱。
夕食は、牛肉ににんにくと塩をまぶしておいて、アボカドやキュウリ,トマトと炒めた。