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二上山<田中日佐夫>
■学生社20230629 二上山と、中将姫伝説のある當麻寺、大津皇子について知りたくて購入した。1967年が初版だが、1999年に再版し、解説をくわえている。 二上山の西側、大阪府太子町の「山田」一帯には、敏達天皇、孝徳天皇、小野妹子、推古天皇、用明... -
叡山のはじまりは巨大磐座 焼き討ち前の信仰示す千体地蔵
引退僧侶の里坊ならぶ門前町 京都の修学院離宮から比叡山にのぼり、滋賀県側の坂本におりる道は10回以上たどっているが、滋賀側の日吉大社などはほとんど見学したことがなかった。だが実は叡山信仰は京都側ではなく滋賀側にはじまり、日吉大社こそがその... -
夕陽の沈む二上山は悲劇の皇子の怨念ただよう西方浄土
大阪と奈良の境にある二上山は、雄岳(517㍍)と雌岳(474㍍)がならぶ双耳峰だ。 飛鳥時代の藤原京(現在の橿原市)をはさんで真東には、神がやどる山として神聖視されてきた三輪山(標高467㍍)がそびえる。二上山から見ると、秋分と春分のときに三輪... -
金星人が降臨した京の異界・鞍馬
遠野のカッパ淵【記事はこちら】をたずねたあと「遠野物語」を読みかえした。人々は河童や妖怪の存在を前提として生きていた。つまり河童は「存在」したのだ。「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」で内山節は、自然や神々、死者とつながる能... -
金魚と柳沢吉保の大和郡山
4月はじめ、うららかな天気にさそわれて大阪環状線に乗ったら大和路快速だった。せっかくだから奈良まで行くか、と、のりつづけ「大和郡山」でハッとおもって下車した。 たしか金魚で有名な町だ。 飛騨古川や津和野は、堀に錦鯉がおよぐ風景が印象的... -
六甲山中の巨大水車の大工業地帯跡
電気も蒸気機関もない時代、神戸の北に屏風のようにそびえる六甲山中に最先端技術を駆使した工業地帯があった。ここでつくられた産品は「日本一の酒処」である灘五郷や、江戸の照明をささえた搾油業、全国有数の素麺産地うみだした。その原動力は「水」... -
薄口醤油の聖地・龍野は哲学者の故郷
兵庫県たつの市に「うすくち龍野醤油資料館」があるときき、青春18切符で訪ねることにした。なぜ、あの場所に有数の醤油の産地ができ、薄口醤油をうみだしたのだろうか。 ソーメンと醤油の城下町 正月明け、姫路駅から姫新線のディーゼルカーに乗りか... -
「餅つかぬ里」の正月料理「ぼうり」
熊野古道から3キロ谷をさかのぼった小川集落 大塔宮さんへの罪 「餅つかぬ里」があると聞きいた。旧大塔(おおとう)村(田辺市)の中心部から富田川の支谷を東へ3キロさかのぼった、小川という20軒ほどの集落だ。 宮越明治さん(1930年生まれ)が幼い... -
丸石は縄文信仰のなごり? 熊野・四国・コスタリカ・山梨の備忘録
熊野の森にころがるこけ蒸した「大地の卵」 熊野古道中辺路の「雲取越え」(和歌山県)は、那智の滝のある那智大社から2日間かけて山の尾根をたどって本宮大社にむかう山道だ。江戸時代には、伊勢参りのあとに西国三十三所を歩く巡礼が、那智大社の隣の西... -
西国30番・竹生島宝厳寺 秀吉の大坂城と水葬の聖地
竹生島には長浜と今津と彦根から観光船がでている。 便数が多い長浜からわたることにした(往復3200円)。 9時半の船にのり、えり(小型定置網)とよばれる小型定置網の網をながめながら30分ほどで、こんもりした緑の島に近づいた。周囲は急斜面で浜は...