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01旅行記
六甲山中の巨大水車の大工業地帯跡
電気も蒸気機関もない時代、神戸の北に屏風のようにそびえる六甲山中に最先端技術を駆使した工業地帯があった。ここでつくられた産品は「日本一の酒処」である灘五郷や、江戸の照明をささえた搾油業、全国有数の素麺産地うみだした。その原動力は「水」... -
01旅行記
薄口醤油の聖地・龍野は哲学者の故郷
兵庫県たつの市に「うすくち龍野醤油資料館」があるときき、青春18切符で訪ねることにした。なぜ、あの場所に有数の醤油の産地ができ、薄口醤油をうみだしたのだろうか。 ソーメンと醤油の城下町 正月明け、姫路駅から姫新線のディーゼルカーに乗りか... -
熊野古道
「餅つかぬ里」の正月料理「ぼうり」
熊野古道から3キロ谷をさかのぼった小川集落 大塔宮さんへの罪 「餅つかぬ里」があると聞きいた。旧大塔(おおとう)村(田辺市)の中心部から富田川の支谷を東へ3キロさかのぼった、小川という20軒ほどの集落だ。 宮越明治さん(1930年生まれ)が幼い... -
01旅行記
丸石は縄文信仰のなごり? 熊野・四国・コスタリカ・山梨の備忘録
熊野の森にころがるこけ蒸した「大地の卵」 熊野古道中辺路の「雲取越え」(和歌山県)は、那智の滝のある那智大社から2日間かけて山の尾根をたどって本宮大社にむかう山道だ。江戸時代には、伊勢参りのあとに西国三十三所を歩く巡礼が、那智大社の隣の西... -
西国三十三所
西国30番・竹生島宝厳寺 秀吉の大坂城と水葬の聖地
竹生島には長浜と今津と彦根から観光船がでている。 便数が多い長浜からわたることにした(往復3200円)。 9時半の船にのり、えり(小型定置網)とよばれる小型定置網の網をながめながら30分ほどで、こんもりした緑の島に近づいた。周囲は急斜面で浜は... -
西国三十三所
西国28番・成相寺 昭和の夏休みと橋立を満喫
28番成相寺は天橋立とセットだけど、できるだけふもとからあるきたい。 丹後国分寺の遺跡に府立丹後郷土資料館があるからここを出発点とした。 内海をへだてて天橋立の松林が横たわるのがのぞめる。風光明媚で、しかも人里からちかいところに国分寺... -
西国三十三所
西国29番・松尾(まつのお)寺 馬頭観音と騎馬民族がつながる修験の山
JR小浜線松尾寺駅(舞鶴市)から山に分け入る。 緑が濃くて、カナカナとうらがなしいヒグラシの声がひびき、なつかしさにいてもたってもいられなくなって、車をおりて歩くことにする。ヒグラシは愛媛の川内町の山の集落をおもいだす。谷間の廃校に星の観... -
西国三十三所
西国26番 法華山一乗寺 ローカル線再生の旗手に乗り 命の輪廻の山寺へ
地域と連携しアイデアこらし3セク鉄道活性化 神戸の新開地から神戸電鉄に乗った。六甲山の北にでて、長い長い緑のトンネルを抜けると広大な盆地が広がった。終着の粟生(小野市)でおりて北条鉄道に乗り換える。 1両の気動車に、路線バスのように後ろか... -
西国三十三所
西国12番岩間寺〜13番石山寺 山の海洋信仰、奇岩の山岳信仰
醍醐寺を守護する女神のお宮 上醍醐寺から東への山道をくだると、杉の森のなかに大規模な石垣が残っている。いったいなにがあったのだろう。 くだりきると西笠取だ。京都の市街地からひと山越えただけなのに、獣害対策の柵に囲まれた田畑が谷間に折り重... -
西国三十三所
西国11番・上醍醐 古代の超高級ミルキーの名をもつ水神の山寺
「最上の食べもの」は乳製品 醍醐寺の「醍醐」は古代の乳製品のことだ。仏教の経典「大般涅槃経」では「五味の最上なるもの」として以下のように記している。「牛より乳を出し、乳より酪(らく)を出し、酪より生蘇(しょうそ)を出し、生蘇より熟酥(じゅ...