■ミーラー・ナーイル監督
アマゾンプライムでなんとなくみつけた。思いのほかおもしろかった。
パキスタンの大学につとめるアメリカ人大学教授が誘拐される。
それにかかわっていると疑われたのがおなじ大学のパキスタン人教授だった。記者をよそおったCIAのエージェントが彼に接触する。
パキスタン人教授は18歳で米国にわたり、コンサル会社で頭角をあらわし、役員にまで登用される。そこで9.11が起きる。自由だったはずのアメリカはムスリムにきびしくなり、ヒゲをはやすと周囲におそれられる。
ある出版社の経営建て直しの仕事で、その出版社が父親の詩集をだしていることを知る。そこを「つぶせ」と命じられ、辞職し、パキスタンに帰国する。
彼をやとったのは冒頭のアメリカ人教員だった。
米国帰りで親米派のはずだったが、しだいにナショナリズムをあおる教育をするようになる。そこに過激派からさまざまな誘いがやってくる。
誘拐された米国人教授はのは彼を大学にひろってくれた人だった。
CIAエージェントの記者は米国人教授の行方を問いつめるが……
一方的なアメリカの正義ではなく、米軍に殺される側の怒りや悲しみ、官能的で不気味なムスリム音楽の魅力もすくいとっており、いわゆるハリウッド映画とはちがう。
よく見たら監督はインド人の女性だった。
ミッシング・ポイント The Reluctant Fundamentalist
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