Buena Vista Social Club Broadway Review2025

  • URLをコピーしました!

 NYでミュージカルを見た勢いで、ブエナビスタの経緯を知りたくて購入。おなじことを何度もくりかえしていて冗長ではあるのだけど、くりかえしのおかげで英語でも理解しやすかった。大ざっぱな歴史を知るにはよいパンフレット。パンフレットにしては2000円は高いけど。
 20世紀のはじめ、ハバナのソーシャルクラブは、アフリカのリズムとスペインのメロディーがいっしょになったソンや、フランスの影響をうけたダンソン、スペイン由来のボレロといった音楽がまざりあう音楽のるつぼだった。
 コンパイ・セグンド、オマラ・ポルトゥオンド、イブライム・フェレール、ルーベン・ゴンザレスの4人も1940〜50年代のそんなクラブで活躍していた。
 ところが1959年に革命がおきると、革命をことほぐヌエバ・トローバなどの音楽が称揚され、従来のキューバ音楽は影の存在になっていく。ミュージシャンたちも表舞台にでることはなくなり、ほかの仕事をしながら細々と演奏をつづけていた。
 1990年代になって、音楽家のフアン・デ・マルコス・ゴンザレスが、忘れられていたキューバ音楽のジェンドたちをひとつのグループにまとめて復活させようと考えた。そしてアメリカのギタリスト、ライ・クーダーが手をむすんだ。ライクーダーは1996年にキューバを訪れ、かつてのレジェンドたちの音楽を採録した。あらたに結成されたグループは、1950年代にハバナにあった会員制クラブの名をとって「ブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブ」と名づけられた。
 1997年に発売されるとミリオンセラーになり、98年にグラミー賞を受賞した。99年にはウィム・ウエンダースがドキュメンタリー映画をつくり、影の存在だったアーティストの人生に光をあて、全世界で公開された。「ワールドミュージック」ブームをひきおこすきっかけになった。
 その流れをくんで2023年、サエム・アリが監督してアトランティックシアターカンパニーでミュージカルを上演し、35年には老舗劇場のGerald Schoenfeld Teatreで上演された。それが私が見た舞台だった。

 ミュージカルの訪問記はこちら→

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次