大文字キャンプ以来、卒業までに100回以上うたうことになるのが、春歌とか猥歌とよばれる替え歌だ。なかでも以下のふたつは定番だった。
ヨサホイ節
ひとつは「ヨサホイ節」。たぶん全国でうたわれている。大正時代に元歌があり、ウィキペディアによるとこんな歌詞だったらしい。
♪これが別れか ヨサホイホイ
独りさびしく残るのは ホイ わたしゃ死ぬよりまだ辛い ヨサホイホイ
たとえどんなに ヨサホイホイ
二人は遠く隔つとも ホイ わすれまいぞえおたがいに ヨサホイホイ
若い恋人のせつない別離の歌であり、猥歌ではない。これが数え歌形式のわいせつな替え歌になり、全国にひろまった。歌詞のバリエーションはいくつかあるが、ぼくらがうたったのはこんなかんじだ。
♪ひとつでたほいなよさほいのほい
ひとり娘とやるときにゃ、親の承諾得にゃならぬ
(よさほーいのほい、よさほーいのほい)
(以下、ふたつ、みっつとつづく)
♪双子の娘とやるときにゃ、姉のほうからせにゃならぬ
♪みにくい女とやるときにゃ バケツかぶせてせにゃならぬ
♪よその二階でやるときにゃ 音をたてずにせにゃならぬ
♪いつもの女とやるときにゃ あの手この手でせにゃならぬ
♪むかしの女とやるときにゃ アルバム片手にせにゃならぬ
♪質屋の女とやるときにゃ いれたりだしたりせにゃならぬ
♪八百屋の女とやるときにゃ ナスやキュウリでせにゃならぬ
♪皇后陛下とやるときにゃ 直立不動でせにゃならぬ
♪巡査の娘とやるときにゃ 手錠覚悟でせにゃならぬ
♪さむらいの娘とやるときにゃ 羽織袴でせにゃならぬ
♪十二単とやるときにゃ かきわけかきわけせにゃならぬ
♪十三(じゅうそう)のねーちゃんとやるときにゃ 病気覚悟でせにゃならぬ
(ここから一気に飛んで)
♪六十ババーとやるときにゃ 油さしさしせにゃならぬ
一般的には「十二」で終わりだけど、関西版ということで「十三」がつくられ、さらにだれかが「六十」をくわえたのだろう。
学生にとっての「60歳」はジジーやババーだったんだ。自分たちももうその年代なんだなぁとおもうと感慨ぶかい。
京都の女子大巡り
もうひとつは京都市内の女子大をめぐる歌。
♪ちんころ まんころ 学校サボって女坂に行けば京女(キョウジョ=京都女子大)の姉ちゃんが横目でにらむ
やりたいな やりたいな やりたいやりたいやりたいな
京女の姉ちゃんと トランプやりたいな
♪ちんころ まんころ 学校サボって烏丸今出川に行けば同女(ドウジョ=同志社女子大)の姉ちゃんが横目でにらむ
さしたいな さしたいな さしたいさしたいさしたいな
同女の姉ちゃんと 将棋をさしたいな
♪ちんころ まんころ 学校サボって北山通に行けばダム女(ダムジョ=ノートルダム女子大)の姉ちゃんが横目でにらむ
おかしたいな おかしたいな おかしたいおかしたいおかしたいな ダム女の姉ちゃんにお金を貸したいな
♪ちんころ まんころ 学校サボって堀川丸太町に行けば駿台(予備校)の姉ちゃんが横目でにらむ
入れたいな 入れたいな 入れたい入れたい入れたいな 駿台の姉ちゃんを京大に入れたいな
♪ちんころ まんころ 学校サボって百万遍に行けば京大の姉ちゃんが横目でにらむ
見せたいな 見せたいな 見せたい見せたい見せたいな 京大の姉ちゃんに鏡を見せたいな
その京大の姉ちゃんに何年かあとにふられることになるのに、失礼な歌をうたっていました。すんません。
この歌の東京バージョンは、高校の先輩の早稲田大生がうたうのをきいたことがあった。
「ちんころ まんころ」ではなく「ちんたら まんたら」だった。
さらに猥歌ではなく、東京六大学について早稲田の学生がうたう、というパターンの歌もあった。
♪ちんたらまんたら授業をサボってブクロ(池袋)に行けば、立教の兄さんが横目でにらむ
立教かよ、育ちかよ、育ちじゃ早稲田は負けますよ
肩で風切る、俺たちゃ早稲田マン
六大学それぞれについて先輩はうたっていた。
京都バージョンは「烏丸今出川に行けば~」などリズムが悪すぎる。早稲田の六大学バージョンのほうがリズムやセンスがいい。オリジナルはたぶん早稲田なのだろう。
ぺんぎんさん
ここまでSNSで紹介したら、元ボヘミアンのコツボから「ぼくは猥歌では『ペンギンは届かない』が好きやった」とメッセージがとどいた。すっかりわすれていた。検索したら、あった!
ペンギンさん ペンギンさん ペンギンさんはかわいそう
ペンギンさんのせんずりは 届かない 届かない
カニさん カニさん カニさんはかわいそう
カニさんのせんずりは 命がけ 命がけ
(以下同様に)
どらえもんのせんずりは 握れない 握れない
はりねずみのせんずりは 血まみれ 血まみれ
ウルトラマンのせんずりは 3分間 3分間
新幹線のせんずりは えきとばす えきとばす
皇太子のせんずりは 監視つき 監視つき