fujiman– Author –
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古代最高の聖地・三輪山は卑弥呼も崇めた出雲系の神奈備?
奈良県桜井市の三輪山(467メートル)のふもとにある大神(おおみわ)神社は「日本一古い神社」と称している。「神」を「みわ」とよむことからも、三輪山が最高位の聖地だったことがわかる。 飛鳥京や藤原京からみて、日がのぼる聖山が三輪山で、日がし... -
6つの墓がある田中正造は聖人? 義人? 戦後になって見えた実像とは?
ぼくが田中正造を知ったのは小学6年の国語教科書だった。 教育出版と光村図書が1977年に彼の伝記を採用したからだ。 教科書の田中正造は、被害民のために奔走し、死を覚悟して天皇に直訴した「悲劇の義人」だった。 6カ所に墓がある「聖人」 正造... -
火の国の女の日記(上下)<高群逸枝
■講談社文庫20230924 高群逸枝の自叙伝。途中で亡くなったため、48歳から亡くなる70歳までは夫の橋本憲三が逸枝の日記などをもとにまとめている。「最後の人」の橋本は妻につくした聖人のようだが、この本でははじめ清らかな逸枝を翻弄するエゴイストとし... -
足尾銅山 鉱毒で消えた2つの村と田中正造のたたかい
はげ山のグランドキャニオン 足尾環境学習センター所蔵 中学生だった1980年ごろ、家族旅行で足尾町(栃木県日光市)をおとずれた。群馬県桐生市から渡良瀬川の谷をさかのぼると、樹木が1本もないはげ山がつらなっている。谷底の渓流はすきとおっているが... -
高群逸枝はシャーマン、「森の家」は祭祀場
死を身近にかんじて巡礼した24歳の女教師 遍路無縁墓地=愛媛県今治市 2004年に四国の遍路道を歩きながら「娘巡礼記」を読んだ。 婚約者とほかの男性との三角関係になやむ熊本の24歳の女教師が、職をなげうって四国巡礼にでる。好奇の目にさらされ、観... -
通史・足尾鉱毒事件1877〜1984<東海林吉郎・菅井益郎>
■世織書房20230801 田中正造記念館のスタッフに「足尾銅山鉱毒の全体像を知るのにおすすめ」といわれて購入した。1984年出版だが東日本大震災後の2014年に復刊した。 足尾銅山の開発は1610年ごろはじまり、銅の5分の4は幕府御用、残りはオランダに輸出さ... -
水底の歌 柿本人麿論<梅原猛>
■新潮文庫20230727 松尾芭蕉とならぶ日本最大の詩人である柿本人麿は長らく、島根県益田市の高津川河口の鴨島で死んだとされてきた。だが、そんな辺鄙な島で国府の役人が死ぬわけがない、と、斎藤茂吉は、海辺ではなく江の川上流の湯抱で人麿は死んだと... -
山に生きる 福島・阿武隈 シイタケと原木と芽吹きと<鈴木久美子・本橋成一>
東京新聞の女性記者が、阿武隈山地の里山の人々と、稀有な写真家の導きで成長する物語だ。 舞台は福島県の阿武隈山地にある旧都路村(2005年から田村市)。 都路は、全国でも有数のシイタケ原木の産地だった。「シイタケを栽培するための原木の一大生... -
直島②信仰と民俗とアートが融合する「家プロジェクト」
崇徳上皇が「真島」を「直島」に改名? 「つつじ荘」の朝食は、名物のじゃこ飯とじゃこ出汁のうどん。野菜のかき揚げがおいしい。大雨がやまないから、もう一度寝床にはいった。 9時すると雨がやんだから徒歩30分の「本村(ほんむら)」まで歩くことに... -
直島① 現代アートと安藤忠雄のコラボ
「瀬戸内」はシーボルトが「発明」 瀬戸大橋ができる前、岡山から宇野にでて、宇高連絡船の甲板でうどんを食べた。いまは瀬戸大橋ができて、宇野港へは茶屋町駅で乗りかえなければならない。 ローカル線なのに、外国人だらけ。そのほとんどが直島や豊島...