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京都ボヘミアン物語⑫サバイバル㊦開き直った脱走犯
マムシの恐怖、1回生4人の決意 サバイバル3日目。木こりの小屋から文覚窟の岬にむかう途中の川沿いにマムシがあらわれた。 大騒ぎのナタでしとめ、蒲焼きにしてたべた。 マムシの出現にタケダとシモザキ、トダ、シオモトの4人の1回生は青ざめた。 そ... -
京都ボヘミアン物語⑪サバイバル㊥丁稚は「伝説の海人」へ、カリスマ隊長は奴隷に
隠岐・島前の西ノ島の文覚窟 京都からヒッチハイクで島根県美保関町(2005年から松江市)の七類港へ。そこからフェリーで2時間半かけて隠岐・島前の西ノ島にある浦郷港におりた。漁船をチャーターして、焼火山(452メートル)のすぐ下の入り江にむかった... -
京都ボヘミアン物語⑩サバイバル㊤みそをめぐる10時間論争
「最低限の食料」で路線対立が浮き彫り ボヘミアンの最大のイベントは8月のサバイバルだ。前年の最初のサバイバルは鹿児島だった。2回目はどうするか? 6月中旬、場所の選定からはじまる。 標高300メートルをこえる山があれば、その谷には水があるはず... -
京都ボヘミアン物語⑨「婚前交渉は許さん」正義の男はあっさり転向
曼殊院前にあったセージの下宿 会話ができないのは中身がないからや 入学してボヘミアンにはいった直後、真如堂の境内のうすぐらい下宿にすむ2回生のツルから「読書会をやれへん?」とさそわれた。ぼくは世界の人間を幸せにする小説家になろうと本気でお... -
京都ボヘミアン物語⑧バブル前夜、もてないくんの壁はチークタイム
「中2でファーストキス」計画 小学6年のとき、畑正憲の「ムツゴロウの無人島記」や「ムツゴロウの動物王国」に夢中になった。中学生になると「ムツゴロウの青春記」「結婚記」をよんだ。 ムツゴロウさんは中学2年のとき、のちに奧さんになる人とつきあ... -
京都ボヘミアン物語⑦必須スキルはヒッチハイク
所持金めぐり5時間論争 当時のボヘミアンは女人禁制だったが、それ以外は入会資格の制限はない。ただし、これができなればボヘミアンをつづけられない、という必須スキルがあった。 ヒッチハイクだ。 道端で親指をたて、車にのせてもらうあの技術だ。... -
京都ボヘミアン物語⑥ティッシュがころがる霊界の入口
「大文字キャンプ」はあとでふりかえっても異様なもりあがりだった。 たき火の真っ赤な火をみていると、ついつい本音をもらしてしまう。ときに涙をながしながら悩みや不安を吐露してしまう。酒に酔って、肩をくみ、歌をうたって、また酒をあおり、そして... -
京都ボヘミアン物語⑤春歌は民衆のエネルギーの源
「定番のふたつの猥歌」をネットにのせたら、「なつかしい!」「こんな歌もあったぞ」「その歌詞はまちがっとる!」「それを公開するのはまずいんちゃう?」といった反響がぞくぞくとよせられた。 なぜ猥歌・春歌の話になると、いい年こいたおっさんが、... -
京都ボヘミアン物語④定番のふたつの猥歌
同志社の女の子は高嶺の花 大文字キャンプ以来、卒業までに100回以上うたうことになるのが、春歌とか猥歌とよばれる替え歌だ。なかでも以下のふたつは定番だった。 ヨサホイ節 ひとつは「ヨサホイ節」。たぶん全国でうたわれている。大正時代に元歌が... -
京都ボヘミアン物語③「内ゲバ」がこわくて寮を脱出
初のイッキで初のゲロ 吉田寮 大学に入学したはいいけど、なにをしたらよいかわからなかった。 テニスサークルのミーハーなのりとはあわないし、テニスをするカネもない。世界を変革する小説をかくつもりだけど、その前に、女の子との出会いはほしい。...