fujiman– Author –
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能登2011〜24
能登2011-24 避難所で痛感「能登はやさしや土までも」 藤平朝雄さん(輪島市町野町)
窓岩の窓がきえた 2014年の窓岩と藤平さん 輪島市町野町の曽々木海岸にすむ藤平朝雄さん(84)は、妻の友子さんと息子夫婦、孫の5人で2024年元日をむかえた。 毎年正月には、窓岩の目の前の海でとれたイワノリの雑煮をたべる。すまし汁の白い餅... -
本と映画と博物館
最澄と空海<梅原猛>
■最澄と空海<梅原猛>小学館文庫 20240429 ▽仏教の流れ 釈迦の言行録の経典をもとに、500年ほど原始仏教(小乗仏教)がつづき、1世紀から3世紀にかけて龍樹らが革新運動をおこす。 欲望を否定して清い生活をしているだけではなく、大衆のなかには... -
能登2011〜24
能登2011-24⑮先端のムラ、在来大豆で元気に(珠洲市・横山)
https://youtu.be/qy0ZBOAn75w 能登半島の北端ではかつて「大浜大豆」という在来種の大豆が栽培されていた。冬場には豆乳を海水でかためて熱々の寄せ豆腐つくり、囲炉裏端ですすった。高度経済成長をへて姿を消したと思われたが、村おこしの一環で復活。... -
能登2011〜24
能登2011-24⑭水仙の咲く桃源郷・大西山(輪島市)
https://youtu.be/zlo1LB3x8GA 雪がところどころに残る田の畦で、水仙の葉が頭をもたげ、つぼみをふくらませている。人口わずか50人の輪島市・大西山には4月半ばになると、数万輪の花が咲きほこる。「能登の桃源郷」とよぶ人もいる水仙の里の歩みは30... -
本と映画と博物館
災害と人間 地震・津波・台風・火災の化学と教育<寺田寅彦>
■仮説社 「天災は忘れた頃来る」という言葉で知られる寺田寅彦の災害関連の文章をまとめたブックレット。日本人の忘れやすさを批判する論考は、東日本大震災や能登半島地震を体験した今の時代にこそ読まれるべきだ。 ▽津波と人間 1933年の東北への津... -
本と映画と博物館
江戸という幻景<渡辺京二>
■弦書房 かつて江戸時代は封建的な遅れた体制だと評価されていたのにたいし、最近の江戸ブームでは、江戸時代の近代に通じる部分をとりだして「実は意外に近代的だった」と評する。どちらも近代を基準に過去を評価している。 渡辺は、江戸は、もう二度と... -
能登2011〜24
能登2011~24⑬歴史をかきかえた網野善彦の原点「時国家」(輪島市町野町)
上時国家=2013年 下時国家=2011年 輪島市街から20キロ、能登半島の先端にむかった輪島市町野町の曽々木海岸は、板状の岩に直径2メートルの穴があいた奇岩「窓岩」で知られている。 曽々木は、能登で一番大きな河川である町野川の河口にあたり、かつ... -
能登2011〜24
能登2011~24⑫鋳物と左官の中居(穴水)
鏡のような海にカキ養殖の筏が浮かぶ中居湾(穴水町)をながめながら、高台の「さとりの道」を歩くと、わずか1キロほどの道沿いに9つの寺社があらわれた。海沿いの中居の集落には重厚な土蔵がいくつもならぶ。わずかな農地しかない集落に、多くの寺社... -
本と映画と博物館
まつろわぬ「両面宿儺」に自らを重ねた、まつろわぬ円空
2022年、岐阜県高山市丹生川町の「千光寺」という山寺を訪ねた。 1600年前の仁徳天皇の時代に、乗鞍山麓の豪族である両面宿儺(すくな)が、古代信仰の場として開山したとつたえられている。 千光寺の両面宿儺 仏宝館 両面宿儺は、ひとつの胴... -
01旅行記
大宮盆栽村の精神性と先進性202404
埼玉でそだったから、小学校の郷土学習本で「盆栽村」を見た記憶があったが、辛気くさい盆栽には興味のかけらもわかなかった。 でも2020年の四国遍路の途中で香川県高松市の鬼無という、松の盆栽の8割を産出している集落を歩いたとき、大宮の「盆...