fujiman– Author –
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本と映画と博物館
かつお節と日本人<宮内泰介、藤林泰>
■岩波新書250810 かつお節とモルジブの関係を知りたかったが、この本は明治以降の話が中心だった。でも知らない話が次々に出てきておもしろかった。 乾燥しただけのかつお節の原形は上代につくられていたが、生産地が増え、流通と販売の担い手が登場し... -
本と映画と博物館
鰹節 ものと人間の文化史<宮下章>
■法政大学出版局250826 鰹節のすべてがわかる本。映画監督の大重潤一郞はおそらくこの本を読んだのだろう。 縄文時代からカツオを食べ、奈良・平安以前には「堅魚(かつお)」と書かれる製品が、伊豆、土佐、紀伊などから朝廷へ貢納されていた。これら... -
01旅行記
3つの氷川神社と見沼めぐり
さいたま市の氷川神社は、埼玉と東京を中心に約250社をかぞえる同名の神社の元締めだ。明治になるまでは、社格が同格な3主座・3神主制だった。現在の氷川神社の位置にある男躰宮が須佐之男命(すさのおのみこと)、3キロ南東の簸王子宮(現在の中山神... -
01旅行記
増上寺も東京タワーも縄文の聖地
死霊のシンボル 東京タワー 最高気温37度、灼熱のJR浜松町駅から西へ10分ほど歩いた芝公園ではミンミンゼミとアブラゼミの声が響いている。大阪とちがってやかましいクマゼミがいないだけで、ちょっとは涼しくかんじる。芝公園の隣の高台に増上寺が... -
能登2011〜24
亡き人もよみがえる能登のお盆−曽良「復興の灯」
穴水町曽良は、深い湾と水路の風景から「東洋のベニス」と評する人もいた。富山湾のむこうに立山連峰をのぞむ海岸段丘上にある千手院では2009年から「曽良の盆灯」が催され、境内や集落の道沿いに最大1万ものロウソクがともった。【曽良の歩みはコ... -
能登2011〜24
亡き人もよみがえる能登のお盆−輪島
帰省客でにぎわう砂浜は… 地震3カ月後の袖ヶ浜。ゴミが打ち上げられていた。旅館「八汐」は無事に見えたが… 2015年以来10年ぶりにお盆を能登ですごした。公費解体が進み、だだっ広くなった輪島の街から袖ヶ浜にでるとミンミンゼミとツクツクボウ... -
本と映画と博物館
書いてみた生活史<菊地暁編著>
■実生社250801 大阪市立大と京大と龍谷大の「民俗学」の講義で、「受講生の祖父母を話者として生活史を聞き書きする」という課題を学生に課してきた。計5000本のレポートから12本を選んだ。 学生の文章が想像以上におもしろいことに驚いた。編者... -
本と映画と博物館
われらが海民 映画監督大重潤一郞著作集<高橋慈正編>
■港の人 250730 沖縄の久高島の信仰や暮らしを撮った「久髙オデッセイ」を10年以上前に見て感動したけれど、大重潤一郞という監督の名前は覚えていなかった。ひょんなところから「久髙オデッセイ」の助監督をした高橋慈正さん(この本の編者)と知りあ... -
01旅行記
進歩的だった長寿と芭蕉布のムラ 大宜味村・喜如嘉
芭蕉布を復活させたムラと岡本太郎が紹介し、長寿村としても知られる大宜味村・喜如嘉(きじょか)集落を2022年3月に訪ねた。名護市から30分ほど海沿いに北上した「道の駅おおぎみ」は「やんばるの森」のビジターセンターを併設している。地元の... -
01旅行記
ジンベイザメの水族館と備瀬のフクギ並木
美ら海水族館 人混みがきらいだから、有名観光施設はほぼスルーしてきた。2025年7月、名護に泊まってヤンバルを歩くつもりだったが台風が襲来した。しかたがない。「沖縄美ら海水族館」(本部町)で時間をつぶそう。 名護から水族館までは車で30...