fujiman– Author –
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ディープ大阪の中津商店街でディープな写真展
梅田から十三の途中にある「中津商店街」は、みるからにさびれているから入口を通りすぎてしまった。狭い路地にアーケードがあったようだが、両脇を残して屋根をはずしている。たしかに屋根があって暗いよりもまだましだ。 終わった商店街のなかに入る... -
野見宿禰と大和出雲 日本相撲史の源流を探る<池田雅雄著、池田雅之・谷口公逸編>
■彩流社250217 奈良県桜井市の出雲地区には、かつて相撲の開祖・野見宿禰の墓とされる塚があった。その塚の五輪塔が集落の十二柱神社に移されていて、北側の山の尾根付近のダンノダイラには出雲族の信仰拠点だった磐座がある。 なぜ出雲国出身といわれる... -
葬られた王朝-古代出雲の謎を解く <梅原猛>
■新潮文庫 20131112 古事記に描かれた出雲王国は現実にはなかった--筆者はかつてそう書いた。1984年以降、荒神谷遺跡などで大量の銅鐸が見つかり、出雲に巨大な権力があったことが明らかになった。筆者は以前の自説を、神話はすべてフィクションと考... -
能登早春紀行<森崎和江>
■中公文庫250209 海女漁のある村では、女を不浄視して船に乗せないということがほとんどない。女性を不浄視する社会は、死をも穢れとする。森崎は、性も死も切り捨てるのではなく、生命の一部としていつくしもうとした。だから鐘崎の「海女」に興味をおぼ... -
鴨族と水平社の発祥地へ2502
奈良盆地には出雲系古代人がかかわる神社や旧跡が多い。盆地の東側の三輪大社やダンノダイラを訪ねたから、西側の金剛山・葛城山のふもとを訪ねることにした。 https://youtu.be/omAiwzvSAhs 縄文からつながる鴨族の拠点 盆地の底から金剛山の中腹に近... -
能登半島記(未完): 被災記者が記録した300日の肉声と景色<前口憲幸>
■時事通信出版 250211 北陸中日新聞七尾支局の記者が、被災後の能登で暮らし取材する日々を毎日つづってきた絵日記のようなコラム。 生活者にしか見えない風景や言葉や知恵が立ちあがってくる。 たとえば非常時の備えは、「最優先は飲食ではなく、まし... -
罹災証明も仮設住宅もいらない 目から鱗の防災講演
「能登の今を知るオンライントーク 変わらない? 日本の災害対応」を聴いた。大阪公立大大学院の菅野拓准教授の講演は、災害対応の「常識」をくつがえすものだった。以下、その要約。 避難所での雑魚寝は1930年から変わらない。災害のたびに戦前... -
奈良に残る出雲人の足跡 ダンノダイラの磐座
出雲の野見宿禰(のみのすくね)は垂仁天皇の前で当麻蹴速(たいまのけはや)とたたかい、蹶速の腰を踏み砕いて勝利したため「相撲の開祖」とされている。また彼は、生贄のかわりに埴輪を考案し、土師部の始祖となったという。 奈良県桜井市には、史上... -
能登に琵琶湖博物館を
能登には貴重な文化や習俗があるのに、地元の行政はその価値を軽んじている。典型的なあらわれが、輪島市立民俗資料館のとりこわしと6000点の資料の処分(2011年)だった。 「のと里山里海ミュージアム」が2018年に七尾市に開館したけれど... -
シン・防災論 「政治の人災」を繰り返さないための完全マニュアル<鈴木哲夫>
■日刊現代(講談社)250201 2011年の東日本大震災は、発生28分後に「緊急」災害対策本部。16年の熊本地震は発生44分後に「非常」災害対策本部を設置した。 能登半島地震では発生から1時間20分たって、もっとも軽い「特定」災害対策本部、4...