ミュージカル Buena Vista Social Club NY散歩11

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 軽く夕食をとってから地下鉄でタイムズスクエアへ。世界一の繁華街は、夕方になってますますにぎわっている。
 ブロードウェーはその名とちがってほかの通りよりもせまい。この周辺がブロードウェーミュージカルの本場なのか。
 45ストリートという東西の通りにはいると古びた劇場がならんでいる。そのうちのひとつGerald Schoenfeld Theatreは1917年にオープンした。開演30分前の18時半に行くとすでに列ができている。まもなく入場。外から見ると小さいが、内部は2階席もあって1000席もある。平日なのに満席になった。


 「Buena Vista Social Club」はライ・クーダーがキューバの古いミュージシャンを発掘して結成したバンドだ。
 ライ・クーダーがひとりひとりを訪問して成功するまでの物語かと想像していた。
 映画やCDで聴いた歌が次々にでてきて楽しい。主人公のオマーラ役もコンパイセグンド役も雰囲気がほんものそっくり。年老いた老人の所作も本当に老いているようにみえる。最後にその男がキレキレのダンスを披露して心底びっくりした。
 ストーリーは予想とちがって、革命前の青春時代と、老人バンドの結成との2つの時間を往復しながら展開する。
 若いころのオマーラやコンパイセグンドらははつらつとして音楽の道をすすむ。オマーラはメンバーのひとりと恋をする。
 オマーラの妹はアメリカの会社と契約して渡航することに。オマーラもいっしょにいくはずだったが、そこに革命が起きる。妹は最後の飛行機でアメリカにわたり、オマーラはキューバにのこる。
 だが革命後、音楽家のつどっていたクラブは閉鎖され荒れはててしてしまう。
 キューバ革命を「恐怖」と決めつける演出には問題もかんじるが、歌も踊りも、ギターもピアノも抜群にうまくておもしろい。
 最後はカーネギーホールで演奏するという大団円。ハッピーエンドのつくりかたはハリウッド映画パターンだが、そんなことを考えるまもなく高揚感に巻き込まれてしまった。
 端っこの席でも120ドル(1万8000円)だったが、高いとはかんじなかった。観客も歌や踊りごとに拍手して、最後は総立ちになって、舞台と一体になる。日本の劇場にはない楽しさだった。


 終わると、壁だとおもっていた横の壁が開放され、一気に夜の街にはきだされた
 騎馬の警官が闊歩している。

タイムズスクエアは昼間以上に大にぎわいだった。

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